究極の名作オーバードライブ「Full Drive2 MOSFET」徹底レビュー – ギタリストなら押さえておきたい定番の逸品

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はじめに

ギター・エフェクターの世界には定番と呼ばれる製品が数多くあります。そのひとつがFull Drive2 MOSFETです。本日はこの人気エフェクターについて、様々な角度から徹底的にレビューしていきます。オーバードライブサウンドを追求する上で、Full Drive2 MOSFETが果たす役割は大きく、このペダルについて理解を深めることは重要なステップと言えるでしょう。

このペダルは、チューブスクリーマー(TS系)のサウンドをベースにしながらも、MOSFETならではの立体感とダイナミクスを持ち、クリーンブースターからハードなドライブサウンドまで対応可能。ブルース、ロック、ジャズ、ポップスなど、幅広いジャンルのギタリストに愛されています。

製品概要

Full Drive2 MOSFETは、Fulltone社製の定番オーバードライブ/ディストーションペダルです。従来のFull Drive2をベースに、MOSFETトランジスタを採用することで、より豊かで自然なオーバードライブサウンドが実現されています。

基本スペック

Full Drive2 MOSFETは、9V電源で駆動し、単三電池または専用ACアダプターが使用できます。本体サイズは115(W)×60(D)×50(H)mmと、ペダルボードでの設置に適したコンパクトなサイズです。ハイクオリティなアナログ回路が搭載されており、ノイズの少ないクリアな音質が魅力です。

2チャンネル仕様(オーバードライブ & ブースト)

  • 左のフットスイッチ: オーバードライブON/OFF
  • 右のフットスイッチ: ブーストON/OFF(単体では使用不可)
  • クランチからリードトーンまで、1台で多彩な表現が可能

2. MOSFET / Standardモード切替

  • MOSFETモード: 真空管アンプのような温かみとダイナミクスのある歪み
  • Standardモード: よりコンプレッションの効いたTS系のサウンド

3. 3種類のクリッピング・モード(歪みのキャラクター変更)

  • Comp Cut(コンプレッションカット): クリーンブースター的な動作
  • Vintage(ヴィンテージTS系): 中域が強調されたウォームなドライブ
  • FM(Flat Mids): よりフラットなレスポンスで、アンプのキャラクターを活かす

4. 音抜けの良いナチュラルなトーン

  • クリーンなトーンに馴染みやすく、ギターやアンプの個性を活かせる
  • 特にMOSFETモードでは、ピッキングの強弱に敏感に反応

5. ハイエンドなパーツと頑丈な作り

  • Fulltoneのこだわりが詰まったハンドメイド・クオリティ
  • ロードにも耐えうる頑丈な筐体

このように多様なコントロールを備えており、様々な音作りに対応できます。

サウンドの特徴

Full Drive2 MOSFETのサウンドの最大の特徴は、滑らかでナチュラルなオーバードライブサウンドを実現できる点です。MOSFETモードを活用することで、ギターのキャラクターを損なうことなく、適度なゲインと歪みを足すことができます。音質の劣化を抑えつつ、アンプを歪ませるかのような質感の高いオーバードライブが得られるのです。

また、ブースト機能を併用すれば、更に音量とドライブ感が増し、リード・フレーズを華やかに際立たせることも可能です。コンプレッション、ミッド特性、クリッピングなどを切り替えられるモード機能も備わっており、様々なジャンルの音楽に対応できる柔軟性が魅力です。

歴史と評価

Full Drive2シリーズは1990年代後半に登場し、当初からTSタイプのオーバードライブペダルの名器として高い評価を獲得しました。後継機種やMOSFET機能を追加するなどのアップデートを重ねながら、長年に渡って多くのギタリストに愛用され続けています。

おしゃれで洗練された歪みから艶のあるディストーションまで、ダイナミックなレンジを実現できる点が際立った長所です。さらにダウンサイジングしたコンパクトモデルも登場し、使い勝手の良さが好評を博しています。オーバードライブペダルを探している人には、ぜひ検討の価値があるでしょう。

音作りのヒント

Full Drive2 MOSFETはコントロールの種類が多く、音作りには工夫が必要です。ここでは、より良いサウンドを得るためのヒントを紹介します。

モード切り替えの活用

Full Drive2 MOSFETには”コンプカット / FM / ビンテージ”の3種類のモードがあります。それぞれ異なる音質特性を持っているので、用途に合わせて使い分けると良いでしょう。

  • コンプカットモード: コンプレッション効果をカットし、ドライで力強いサウンド。クランチやリードに適している。
  • FMモード: フラットな周波数特性で、ギターの音色を損なわずにオーバードライブをかける。
  • ビンテージモード: ミッドレンジを強調し、クラシックなオーバードライブサウンドを再現する。

また、”モスフェット / スタンダード”の切り替えでクリッピングの質感を変えられます。モスフェットモードはクリーンながらドライブ感があり、スタンダードはTS系の肉厚な歪みが得られます。曲やフレーズに合わせて使い分けるのがコツです。

アンプとの相性

Full Drive2 MOSFETはアンプのキャラクターを損なわずに歪みを足せるのが特徴ですが、歪みすぎるとかえってうまくいかない場合もあります。特にクリーンアンプの組み合わせでは、アンプのゲインをできるだけ下げた状態でエフェクターからドライブをかけるのが理想的です。

一方で、既に多少のクランチ感があるアンプにつなげば、より渋く力強いドライブサウンドを作り出せます。プリアンプとパワーアンプのボリュームバランスを調整しながら、エフェクターとアンプの歪み具合を最適化することがポイントです。

組み合わせの工夫

Fulltone Full-Drive 2 MOSFETは、単体でも優秀なオーバードライブですが、他のエフェクターと組み合わせることでさらに幅広いサウンドが作れる万能ペダルです!

クリーンブースターとして活用 → ハイゲインペダルの前に
●TS系ペダルと重ねて厚みのあるオーバードライブ
●ハイゲインディストーションと組み合わせて音抜け向上
●ディレイやリバーブと組み合わせて立体的なリードトーン

組み合わせ次第で、クラシックロック、ブルース、ジャズ、ハードロック、ポップスなど、あらゆるジャンルに対応可能です!

他のオーバードライブエフェクターとの比較

Full Drive2 MOSFETは、オーバードライブ系エフェクターの中でも人気と定評のある製品です。では、他の同種のエフェクターとサウンドや機能性ではどのような違いがあるのでしょうか。

 Ibanez TS9 / TS808(チューブスクリーマー系)

TS9は、中音域に特徴があり、ウォームで滑らかな歪みが特徴です。Full-Drive 2 MOSFETも中音域に特徴がありますが、よりクリアでダイナミックなサウンドです。TS9は、Level、Tone、Driveの3つのコントロールノブを備えています。Full-Drive 2 MOSFETは、3つのモードとブースト機能により、より多彩なサウンドメイクが可能です。TS9は、Full-Drive 2 MOSFETよりも安価です。

 

 サウンドの違い

Full-Drive 2 MOSFET Ibanez TS9 / TS808
歪みの質 よりナチュラルでオープン(特にMOSFETモード) 中域が強くコンプレッション感あり
ゲインレンジ TS系より広い(クリーンブーストも可能) ミッドレンジが強調された定番の歪み
音の立体感 MOSFETモードで広がりのあるサウンド タイトでスムーズなオーバードライブ

どちらを選ぶ?

  • TS系の定番サウンドが欲しいなら TS9 / TS808
  • TS系の良さを持ちつつ、より多機能なペダルが欲しいなら Full-Drive 2 MOSFET

 BOSS BD-2(Blues Driver)

ボス BD-2 ブルースドライバー

TS系オーバードライブを代表する名機の一つが、ボスのBD-2です。BD-2はミッド感の強いサウンドが特徴で、まろやかでありながら食い付きの良い歪みが魅力です。一方のFull Drive2 MOSFETは、より自然なオーバードライブを実現しており、音質面での違いがあります。

操作性ではBD-2がボリューム、ゲイン、トーンの3ノブのみのシンプルな構成なのに対し、Full Drive2 MOSFETはモード切替えなど細かな音作りができます。BD-2の方がストレートな音作りに適していますが、Full Drive2 MOSFETは音作りの幅が広いと言えるでしょう。

 

サウンドの違い

Full-Drive 2 MOSFET BOSS BD-2
歪みの質 TS系のスムーズなドライブ より荒々しく、ピッキングに敏感
ゲインレンジ TS系より広いが、BD-2ほどは歪まない クランチ〜ディストーション手前まで対応
コンプレッション感 程よいコンプ感 ほぼ無し、ダイナミクスが大きい

 どちらを選ぶ?

  • ピッキングニュアンスを活かしたい、荒々しいクランチが欲しいなら BD-2
  • スムーズでコントロールしやすいTS系のオーバードライブが欲しいなら Full-Drive 2 MOSFET

Xotic SL ドライブ

より本格的なオーバードライブ・ペダルとしては、Xotic SL ドライブが有力な選択肢です。このペダルはクラシカルなTS系の音質を再現しつつ、より現代的な味付けを加えています。ミッドレンジを押し上げないフラットな設計で、ギターの音色を損なわずにナチュラルなオーバードライブがかけられるのが特徴です。

Full Drive2 MOSFETと比べると、SL ドライブの方がややクリーンで自然なサウンドを実現できますが、反面多彩な音作りには向いていません。一方のFull Drive2 MOSFETはモード切替えなどで幅広い演奏にも対応できるのが強みです。用途に合わせて使い分ける必要があるでしょう。

 

サウンドの違い

Full-Drive 2 MOSFET Xotic SL ドライブ
歪みの質 TS系のスムーズなドライブ クラシック・マーシャル系オーバードライブ
ゲインレンジ TS系より広いが、BD-2ほどは歪まない クランチ~ハイゲインOD
クリーンブースターとして Comp Cutモードを使えば、クリーンブースターとしてアンプの前段で使用可能 基本的にクリーンブースターとしては不向き(少しゲインが高め)

 どちらを選ぶ?

  • Marshall Plexi系のブライトなハイゲインが欲しいなら Xotic SL ドライブ
  • クリーンブースターとしても使いたいなら Full-Drive 2 MOSFET

まとめ

いかがでしたでしょうか。Full Drive2 MOSFETは、オーバードライブサウンドの定番として長年愛され続けているエフェクターだと分かりました。ナチュラルでありながらもパワフルな音質、多彩なコントロール、そしてアンプの音色を損なわない使い勝手の良さは、このペダルの大きな魅力といえます。

ぜひ実機で音を確かめながら、自分なりのサウンドメイキングに挑戦してみてください。Full Drive2 MOSFETはギタリストの表現の幅を大きく広げてくれることでしょう。ある意味でベーシックなオーバードライブ・ペダルでありながら、可能性に富んだ製品なのです。

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