はじめに
ギタリストにとって、ディストーションエフェクターの選択は音作りの肝心なポイントです。今回は、BOSSの名機「MT-2 メタルゾーン」に焦点を当て、その魅力と多彩なサウンドメイクを紐解いていきます。MT-2は1991年にリリースされ、ゴリゴリの歪みサウンドで当時のメタルギタリストから高い人気を博しました。現在でも根強い人気を誇る同エフェクターの可能性を、さまざまな角度から探っていきましょう。
MT-2の概要
まずは、MT-2の全体像を把握しましょう。当時の画期的なエフェクターとして、メタルミュージックの進化に大きな影響を与えたMT-2。そのユニークな特徴を解説します。
誕生と人気の秘密
MT-2が発売された1991年は、メタルミュージックがさらなる過激化を遂げた時期でした。そんな中、MT-2の登場は大きな驚きを呼びました。従来のディストーションエフェクターとは一線を画す、バリバリの歪みサウンドが人気の理由でした。
ただ一方で、MT-2は設定が難しく、ノイズの問題もありました。しかし、そのユニークさゆえに愛好家を獲得し、今に至るまで根強い人気を誇っているのです。アラフォー世代のメタラーには、今でも思い出深いエフェクターなのかもしれません。
ユニークなコントロール
MT-2の特徴は、豊富なコントロールにあります。以下の6つのツマミを使い分けることで、幅広い音作りが可能になります。
- LEVEL (音量)
- DIST (歪み量)
- HIGH (高域)
- LOW (低域)
- MIDDLE (中域)
- MID FREQ (中域帯域調整)
特にMIDDLEとMID FREQの組み合わせは、きめ細かな中音域のコントロールを可能にしています。この点がMT-2を他のディストーションと差別化し、メタラーの心を掴んだ所以なのです。
セッティング解説
さて、本題のMT-2のセッティング解説に移りましょう。正確な音作りは難しいとされるMT-2ですが、ここではコツを紐解いていきます。
基本のセッティング
MT-2を使う上での基本は、まずツマミを「5 (12時)」に合わせることです。そこから各ツマミを動かし、音の変化を確認していきましょう。
この状態からHIGH、LOW、MIDDLEを調整すれば、ベースとなるサウンドが作れます。次に、MID FREQで中音域の細かい調整を行えば、より理想の音に近づけるでしょう。最後にDISTで歪み量を決定すれば完成です。
おすすめセッティング例
サウンドメイクに慣れるまでは、おすすめのセッティングから試してみるのがいいかもしれません。以下は人気のセッティング例です。
サウンド | HIGH | MIDDLE | MID FREQ | LOW | DIST |
---|---|---|---|---|---|
ドンシャリ系 | 11時 | 12時半 | 3時 | 2時 | 11時 |
パワフルメタル | 1時 | 3時 | 12時 | 3時 | 3時 |
ドンシャリ系は中音域を強調し、MID FREQを高めにセットすれば壁のようなサウンドが得られます。パワフルメタルは全体を押し上げ、ガツンとしたサウンドを生み出せるでしょう。
MT-2Wの進化
ここまではオリジナルのMT-2を中心に解説してきましたが、後継機種のMT-2Wにも注目です。従来の魅力を継承しつつ、現代の音作りに適したサウンドへとアップデートを果たしています。
MT-2Wの新機能
MT-2Wの大きな進化点は、ノイズレス化とカスタムモードの搭載です。ノイズレス機能によって、きれいな歪みサウンドが実現できるようになりました。
さらに、カスタムモードではハイゲインサウンドを組み込むことで、現代のメタルミュージックにも対応。従来のMT-2サウンドとは別の選択肢が用意されているのです。
音作りの自由度
MT-2Wは進化を遂げつつも、根本の操作性は変わりません。4つのツマミと3バンドEQを駆使すれば、これまで以上に自由な音作りが可能になりました。
例えば、MTDモデルを使えばタイトなリフからシャウティングリードまで、ワイドレンジでこなせるでしょう。キャラクターコントロールを活用すれば、さらに細かいニュアンスの調整も自在です。
応用活用例
MT-2(W)の実力は、他のエフェクターと組み合わせた際に発揮されます。ここではMT-2の組み合わせ例と、そのメリットを紹介しましょう。
ブースター併用
MT-2をXotic EP Boosterといったブースターの後段に配置すると、太くサスティーンの長いサウンドが得られます。ただし、MT-2は歪みの調整が難しいので、低域をおさえた上で使うのがコツです。
Boosterの有無によってサウンドに変化が生まれ、単体では表現しきれなかった音の広がりを体感できるはずです。ギターソロの練習にも最適な組み合わせと言えるでしょう。
アンプのプリアンプとして
MT-2をアンプのエフェクトループに設置することで、プリアンプのような働きをします。LEVEL、DISTを控えめにすれば、アンプ自身の癖を生かしつつ、MT-2の歪みを プラスすることができます。
プリアンプとしての活用は、MT-2の個性的なサウンドをより包摂的に演奏に取り入れられる魅力的な方法です。逆にフルに歪ませれば、ハイゲインの塊のようなサウンドが生み出せるでしょう。
まとめ
いかがでしたか? BOSS MT-2(W)は、数々の進化を遂げながらも根強い人気を誇るエフェクターです。ライブでメタルの壁となる存在感と、幅広い音作りの可能性。そのユニークさが受け継がれています。
歴代のメタラーの味方であり続ける一方で、現代のミュージックにもマッチする汎用性も備えています。思いのままのサウンドを手に入れるためのツールとして、これからも活躍が期待されるエフェクターなのです。
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