はじめに
ギターアンプのリバーブといえば、Fenderのスプリング・リバーブ。特にTwin Reverbに搭載されたリバーブ・ユニットは、エフェクト界でも特別な存在として知られています。
スプリング・リバーブはどのように機能し、Twin Reverbのサウンドにどんな影響を与えるのでしょうか? この記事では、その歴史、仕組み、設定のコツ、さらにはスタンドアローンのFender Reverbユニットとの違いなどを詳しく解説します!
スプリング・リバーブとは?
スプリング・リバーブの基本
スプリング・リバーブは、その名の通り金属製のスプリング(ばね)を使って音の反響を作り出すエフェクトです。
- ギターの信号がスプリング内で反射・共鳴し、自然なリバーブ感を生み出す
- 真空管アンプに搭載されることで、温かみのある独特の響きが得られる
- スプリングの長さや素材によってリバーブの質感が変わる
Fenderのスプリング・リバーブは、エフェクターのデジタルリバーブでは再現できない、本物のアナログならではの揺らぎや深みが特徴!
Twin Reverbのスプリング・リバーブの歴史と特徴
Twin Reverbは、1963年のブラックフェイス期からスプリング・リバーブを搭載しています。1961年の発表時には単体ユニットだったが、数年でほとんどのコンボアンプに標準装備として組み込まれるようになりました。
1963年 – Twin Reverbにリバーブが搭載
- Fenderが初めてスプリング・リバーブをアンプに内蔵したモデルのひとつ
- リバーブは専用の真空管(12AT7 & 7025)を使用し、フルアナログの駆動方式
- リバーブ・タンクは長い3スプリング構造(Accutronics製)
1963年、リヴァーブ内蔵フェンダー・アンプのフラッグシップモデルとして、ツイン・リヴァーブ(TwinReverb)発表。出力管にはビーム4極管 6L6を4本使用、出力は 85 ワット(後期モデルは135ワット)のパワーを誇ったが、ヴォリュームをいっぱいに上げるとすさまじい轟音になってしまうのが難点だった。 ともあれ、 拡声装置で増幅されたヴォーカルやハーモニカ、管楽器に対抗できる大音量を出したい、というギタリストたちの願いに応えたのが、フェンダーのツイン・リヴァーブ、デュアル・ショウマン (Dual Showman) といったパワフルなモデルなのである。マディ・ウォーターズとオーティス・ラッシュは、40ワットのスーパー・リヴァーブ (Super Reverb)を愛用。 1980年代にスティーヴィー・レイ・ヴォーンのサウンドを支えたのも、スーパー・リヴァーブと10インチ(25.4cm)・スピーカー2基搭載のヴァイブロラックス・リヴァーブ (VibroluxReverb) だった。
最も「クラシックなフェンダーリバーブ」の音を持つアンプ!
1968年 – シルバーフェイス期の変更
- 基本設計はブラックフェイスとほぼ同じ
- リバーブ回路は若干変更されたが、音の深みと立体感は維持
- 1970年代以降のモデルでは、より深いリバーブサウンドが可能に
●この時代のTwin Reverbのリバーブは、ブルースやカントリーのギタリストに大人気!

「1969年に、バディ・ガイの弟のフィリップ・ガイが、ストラトキャスターをフェンダー・スーパー・リヴァーブにつないで弾くのを見たんだ。
残響音には揺らめくような絶妙なエコーがかかっていて、まるで凍った湖に小石を投げたみたいに聞こえた最高にクールなサウンドだったよ。よし、おれもこいつを手に入れようって思ったね」 ロバート・クレイ
近年のリイシューモデル
- ’65 Twin Reverb Reissue(オリジナルのブラックフェイスを忠実に再現)
- ’68 Custom Twin Reverb(ヴィンテージサウンドを活かしつつ、現代向けのチューニング)
- Tone Master Twin Reverb(デジタルモデリングながら、驚くほどリアルなリバーブを再現)
現在でも、Twin Reverbのスプリング・リバーブは最高峰のサウンドを誇る!
スプリング・リバーブの仕組み – どのように音が作られる?
Twin Reverbに搭載されたスプリング・リバーブは、次のようなプロセスで音を作り出します。
1960 年代、フェンダーは「リヴァーブ (残響音)」という旗印を掲げてサウンドに革命をもたらした。 今ではフェンダーのお家芸となっているこの効果を生み出すのが、スプリング・リヴァーブ・ユニットだ。 装置に入力された電気信号は変換器を通って物理振動に変わり、中にスプリングを張った箱に送られる。 振動はわずかな時間差でスプリングの端から端へ伝わり、 再び電気信号に変換される。これをミックスし、望みどおりの大きさに増幅して回路に戻す。こうして発生した遅延効果が残響音を生み出すのである。
スプリング・リバーブの信号の流れ
- ギターの信号がリバーブ回路に送られる(真空管12AT7を使用)
- 信号がリバーブタンク内のスプリングに伝わり、振動が発生
- スプリングの両端にあるトランスデューサー(変換装置)が、振動を電気信号に戻す
- リバーブのかかった信号が、元のギターサウンドとミックスされる(12AX7回路で調整)
この「リアルな振動」が、デジタルリバーブでは再現できない奥行きとナチュラルな響きを生み出す!
スプリング・リバーブのセッティング – おすすめの使い方
Twin Reverbのリバーブノブを0〜10の範囲で調整することで、さまざまな音作りが可能です。
軽めのナチュラルリバーブ
- Reverb:2〜3
- 適度な広がりを持ちつつ、輪郭を残したサウンド
- ジャズ、カントリー、ブルースのクリーンサウンドに最適
深めのリバーブ(ドリーミーな響き)
- Reverb:5〜6
- サーフミュージックやアンビエントなクリーントーン向け
- トレモロ(ビブラート)と組み合わせると幻想的なサウンドに
フルテンのスプリング・リバーブ
- Reverb:8〜10
- エフェクティブで空間的なサウンド
- サイケデリックロックやシューゲイザー系のギターに◎
● Twin Reverbのリバーブは、ほんの少しの設定変更で大きく印象が変わる!
スタンドアローンのFender Reverbユニットとの違い
Twin Reverbのリバーブは素晴らしいですが、Fenderがリリースした外付けリバーブユニット(Fender Reverb Unit)とは微妙に異なります。
Twin Reverb内蔵リバーブ vs. Fender Reverb Unit
Twin Reverb 内蔵リバーブ | Fender Reverb Unit(スタンドアローン) | |
---|---|---|
真空管 | 12AT7 & 12AX7 | 6K6GT(より温かいサウンド) |
リバーブの深さ | ミックスされたナチュラルなリバーブ | より強調されたウェットなリバーブ |
トーンの調整 | ノブ1つで調整 | Dwell / Mix / Toneの3ノブ制御 |
●Twin Reverbはバランスの取れたリバーブ、Reverb Unitはよりウェットでドリーミーなリバーブ!
まとめ – Twin Reverbのスプリング・リバーブは最高峰!
● Fenderのスプリング・リバーブは、クリーントーンをさらに美しくする魔法のエフェクト
● Twin Reverbのリバーブは、ジャズ、カントリー、ブルース、サーフロックに最適
● リバーブの設定次第で、ナチュラルな響きからドリーミーなトーンまで作れる
● スタンドアローンのFender Reverb Unitとの違いも面白い!
Fender Twin Reverbのリバーブを最大限に活かせば、ギターサウンドの表現力が一段と向上します!
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