フェンダー ストラトキャスター
今度はエレキギターの王様ストラトキャスターに注目です。
ブルースギター大名鑑を引用して、ご紹介してみたいと思います。
フェンダーストラトキャスター未来のブルース
滑らかな曲線を描くボディー、 ほっそりとした優美な ヘッド。 現在ではエレクトリック・ギターといえばまずあ この形が目に浮かぶほど、 ストラトキャスターは広く世に知られている。
だが発表当時の 1950年代 ストラトキャスターの革命的なデザインに誰もが目を見張った。
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新開発のヴィブラート・ユニットは、機能だけでなく視覚的効果を狙ってデザインさ れたように思われた。 スプリングもロー ラーもレバーも見当たらず、 魔法使いの杖のような銀色のコントロール・アー ムが、シンプルなブリッジから突き出ているだけなのだ。
だがブルース・プレイヤーたちは、 何の抵抗もなくこの斬新な楽器を受け入れる。 華麗なパール・インレイを施した1920年代 のフラットトップ・ギター、まばゆく光る金属 でできた1930年代のナショナル・ギター………派手なギターはブルース・パフォーマンスの定番だったか 目立てば儲かる。 そのことをブルースマンたちはよ く心得ていた。 ストラトキャスターは人目を引くだけでな く、プレイヤーの要望によく応えてくれるギターだった。 ストラトキャスターのヴィブラート・ユニットは、ライバ ルのビグスビー・トゥルー・ヴィブラートに比べピッチの調整幅が広かった。 また、 ヴォリューム/トーンコント ロールは操作性を考えて配置され、 ピックアップセレク ター・スイッチは斜めの切り込みに沿ってスライドさせる 方式だったため、スイッチ類を指先ですばやく操作できる 上に、今まで想像もできなかったような多彩なサウンドを 生み出せた。
ストラト旋風 in シカゴ
ソウルフルなシカゴ・ウェスト・サイ ド・サウンドの第一人者、 フィンガーピッキング でストラトキャスターを自在に操ったマジック・サム。
1957年から新興レーベルのコブラでシングル曲を録 音。代表曲 〈オール・ユア・ラヴ (All Your Love)〉 な どの名演奏を残す。 将来を期待されたが 1969年、32 歳で亡くなる。 若きバディ・ガイは、ライトニン・スリムの「まるで何かが爆発しているような」 プレイに触発されてエレクトリック・ギターを弾くようになったという。 最初にストラトキャスターを購入したのは1957年、 179ドルだった。 これを手にしたガイは、 B・B・キングや マジック・サム、ギター・スリムを始めとする多くの プレイヤーのスタイルを巧みに取り入れ、 当代一流の ブルース・ギター・ショウマンと評されるようになる。 「最初のストラトは盗まれてしまったんだ」とガイは嘆 く。「犯人は分かっていたから、買い戻そうと頑張ったんだが、やつらは刑務所に行くのを恐がって売ってくれなかったんだよ! あのころは古いフェンダー・ベー スマン・アンプも持っていた。 ストラトとベースマン は最強のコンビだね」
ヴィンテージ復刻モデル
1970年代に入り、日本の東海楽器などが細部まで忠実に再現したヴィンテージ・ストラトキャスターのコピーモデル を作るようになる。 これに刺激されたフェンダーは、ヴィン テージ・シリーズの発売を決定。 プレイヤーたちが望むのは ストラトキャスターの新製品ではなく、 1950年代から60 年代にかけて作られていたモデルだと気付いたのだ。 1982 年、最初のヴィンテージ復刻モデル2種類を発表。 完全な再 現モデルではないが、 1970年代製の重くてずんぐりしたス トラトキャスターより品質も音も優れている。 ’57 ストラトキャスター オリジナルの復刻モデル。細いヘッ ド、メイプル・ネック、2トーンサンバースト・フィニッシュ を施したアルダー・ボディー。 ’62 ストラトキャスター オリジナルのハードウェア を完全に再現。 ローズウッド材指板、1960年代スタ イルのカラー 3プライ ピックガード。 間もなくフェンダーは日本の会社にブランド使用権を与え、フェンダー・ジャパンを設立。 フェンダー・ ジャパンはフェンダーやスクワイア (Squire)の ブランドでヴィンテージ・スタイルのフェンダー・ ギターを製造、安価で販売するようになる。 日本 製の57年/62年モデルなどは、低価格でヴィ ンテージギターの素晴らしい弾き心地を味わえる良品だ。 ジミ・ヘンドリクスが活躍した年代の仕様にこだわった 68年モデル ラージ ・ ヘッド の72年モデルもある。
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