Marshall Blues Breaker レビュー:伝説のオーバードライブが奏でる魂のブルースロック

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はじめに

マーシャルの「ブルースブレイカー」は、ブルースロックの歴史に深く根ざしたオーバードライブペダルです。1962年に製造された伝説の「ブルーズブレイカー」アンプに由来し、エリック・クラプトンをはじめ、多くの著名ミュージシャンに愛用されてきました。本日は、このシリーズの魅力と歴史に迫りながら、さまざまなモデルのレビューを交えてご紹介したいと思います。

ブルースブレイカーの歴史

ブルースブレイカーの礎となったのは、1962年に誕生した「ブルーズブレイカー」アンプです。

1962年のオリジナル・ブルースブレイカー

ブルースブレイカーの原点は、1962年に発売されたマーシャルのアンプにあります。エリック・クラプトンがこのアンプを使用したことで一躍有名になり、後にクラシックとして残る名機の誕生となりました。コンパクトなボディながら、ツインスピーカーを搭載するなど、その優れた設計が高く評価されました。

オリジナルと復刻モデルの違い

1989年にリイシュー版が発売されると、1962年モデルとの違いが指摘されました。キャビネットの奥行きが浅くなり、スピーカーアレンジも変更されたことで、元来のサウンドが若干損なわれてしまったのです。しかし、その後の改良を経て、現行モデルでは本家の高い再現度を実現しています。

2022年に到来した60周年リイシュー版は、完全にオリジナルのサウンドを再現したことで大きな話題を呼びました。ギタリストたちは、待ちに待った最高のブルースブレイカー・トーンを手に入れることができたのです。

ブルースブレイカーのサウンド

ではブルースブレイカーのサウンド自体はどのようなものなのでしょうか。このエフェクターの最大の魅力は、ナチュラルなオーバードライブトーンにあります。

クリーンだがクランチのあるサウンド

ブルースブレイカーの大きな特徴は、歪みが強すぎず、クリアな音色が残されていることです。一方で程よいクランチ感を備え、アンプのようなナチュラルな歪みを再現できます。ギターのボリュームを絞ると、よりクリーンなトーンが得られるのも魅力です。

このようなサウンドのため、ブルースブレイカーはクリーンアンプの拡張ユニットとしても人気があります。アンプに負荷をかけすぎることなく、心地よいドライブサウンドを手に入れられるのです。

ミッドレンジの存在感

ブルースブレイカーのもう一つの大きな特徴は、ミッドレンジの存在感です。中域が適度に押し出された心地よいトーンで、ギターのプレイングがよりはっきりと立体化されます。ソロでのアドリブ演奏におすすめのサウンドといえるでしょう。

ミッドレンジの強調は、ブルースやロックなどの演奏に好適です。時代を超えてこのエフェクターが愛され続けるのも、多様なジャンルで活躍できるサウンドが備わっているからこそなのです。

オリジナル・ブルースブレイカー

オリジナルの「ブルースブレイカー」ペダルは、クリアなドライブサウンドが特徴でした。JTM45を連想させるサウンドは、真空管アンプとの相性が抜群で、ブリティッシュサウンドブースターとしても活躍しました。特にブラックガードやセミアコなどの中域が豊かなギターとの相性が良く、Marshallならではのスピード感とコンプ感、サチュレーション感を兼ね備えていました。

中古市場では高値が付くほど人気が高く、手放したくないというギタリストの愛着の強さがうかがえます。自作する人も多く、部品点数が少ないことも一因でしょう。ほとんど歪まず低音が詰まる傾向がある反面、音楽のスタイルによってはユニークな魅力となります。

BB-2 ブルースブレイカーII

後継モデルの「BB-2 ブルースブレイカーII」は、ゲイン量が大幅に増加しています。ワイルドさとコンプレッション感が強くなり、トーンをMAXにすると少し濁った印象があります。しかし、レベルを上げることで改善されます。

シングルコイルピックアップギターとの相性が良く、ギターボリュームへの反応性にも優れています。さらにブーストモードも搭載されており、クリーンブーストサウンドも得られます。価格も手頃なため、コストパフォーマンスが高いと評価されているモデルです。

リイシューモデル

1980年代後半から90年代に渡って販売され人気を博したThe Guv’nor、Shredmaster、Drivemaster、 BluesbreakerペダルがMarshall社60周年を記念して復刻されました。
英国工場にて手作業で組み立てられ、全ての細部に及ぶまで正確に、そして丁寧に再現されたこれらのリイシューモデル達は、それぞれのオリジナルの象徴的なサウンドを完全に捉えています。

特徴的な外観や内部回路は細部に至るまでオリジナルを忠実に再現しています。
但しジャックとポットにつきましては当時と全く同じものは生産終了のため、同等品が使われています。
Bluesbreakerは、よりヴィンテージなMarshallサウンドを再現するために開発された、もう一つの象徴的なペダルです。
コンボアンプ 「1962」からインスピレーションを得たこのペダルは、低めのゲインとより滑らかなトーンを与えるソフトクリッピングを使用する唯一のペダルでした。
このペダルは当時も人気がありましたが、Steve CradockやJohn Mayerなどの使用により、近年更に人気が高騰しています。

名ギタリストとブルースブレイカー

ブルースブレイカーには、数多くのスター・ギタリストがこだわり抜いてきました。その理由は何なのでしょうか。

ジョン・メイヤーのブルースブレイカー愛

ブルースブレイカーを象徴する存在が、ジョン・メイヤーです。彼はステージやスタジオで常にこのエフェクターを駆使し、シグネチャーサウンドを生み出してきました。特にブルースブレイカーとTS10の組み合わせは有名で、温かみのあるクランチトーンを生み出します。

メイヤーはボリュームとゲインの微調整を絶妙に行い、理想的なトーンをつくりあげています。中域の強調された音色は、彼のスムーズなフレーズと相まって、聴く者を魅了するサウンドを実現しているのです。

他の著名アーティストたち

メイヤー以外にも、エリック・クラプトンやスティーヴ・ヴァイ、ジョン・フルシアンテなど、錚々たるギタリストがブルースブレイカーを愛用してきました。

アーティストたちがこぞってブルースブレイカーに惹かれるのは、そのサウンドの音楽性が高いことにあります。トーンの調整次第で、ジャンルを問わずに様々な表現が可能なのが最大の魅力なのです。

ブルースブレイカー系エフェクター

ブルースブレイカーの人気に伴い、さまざまなメーカーから派生モデルが発売されました。本家の劣化コピーを避ける意図から、それぞれにユニークな進化を遂げています。

ブランド別にみるブルースブレイカー系エフェクター

以下に主要なブランドとその製品を挙げます。

ブランド 製品名 特徴
アナログマン King of Tone、Prince of Tone スッキリしたサウンド、ブースト機能搭載
JHS Morning Glory リーズナブルな価格帯と高いコストパフォーマンス
ワンプラー Pantheon Overdrive 3モード切替搭載、多彩なトーン設定が可能

その他にも6 Degrees FXのRodeo Drive、Fredric EffectsのBlue Monarch、NUXのMorning Star Overdriveなど、信頼できる選択肢が目白押しです。



共通する特徴とユニークな一面

これらのエフェクターには、ブルースブレイカーと共通する滑らかな歪み特性があります。一方で、メーカー独自の設計哲学から生まれた個性的な側面も魅力です。クリーン/オーバードライブ切替機能やミッドコントロールの拡張など、トーンの幅を広げる工夫が施されています。

本家の魅力を大切にしつつ、時代に合わせた進化を遂げるブルースブレイカー系エフェクター。これらを自由に組み合わせることで、無限大のトーン・メイキングが楽しめそうです。

まとめ

マーシャルのブルースブレイカーは、まさに時代を超越したエフェクターです。他を寄せ付けぬ音楽性と、さまざまなジャンルでの汎用性を併せ持っているからこそ、多くのミュージシャンから絶大な支持を得ているのです。

このエフェクターに魅了されたメーカーたちによる新作も次々と登場し、ブルースブレイカー旋風は止むことを知りません。これほど名器が長年愛され続けるのは、大きな意義があるのだと思います。ブルースブレイカーというオーバードライブ奥深い魅力を、これからも堪能していきたいものです。

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