はじめに
ギタリストにとって、ディストーションペダルは音作りに欠かせないアイテムです。本日は、Providence社のHEAT BLASTER HBL-4というディストーションペダルをレビューしていきます。倍音豊かな歪みと、ピッキングニュアンスの表現力が高く評価されているこのペダルの魅力に迫りましょう。旧モデルHBL-2、HBL-3からバージョンアップされたものです。
ディストーションの質
HEAT BLASTERの最大の魅力は、ハイゲインチューブアンプのような重厚なディストーションサウンドにありますが、単にゲインを上げただけではありません。
アンプライクなサウンド
内部動作電圧を18Vに昇圧させることで、ダイナミックレンジが広がり、チューブアンプに近いアンプライクなディストーションを実現しています。単に歪みを増やすのではなく、チューブアンプの自然な倍音の立ち上がりをシミュレートしているのが特徴です。
さらに、ピッキングのニュアンスを確実に表現できるのも大きなポイントです。ゲインを上げすぎると音が潰れてしまいますが、HEAT BLASTERならピックの強弱や角度の違いを活かせます。アーティキュレーションの良さが魅力的です。
豊かな倍音
HEAT BLASTERが生み出すディストーションは、単なる歪みではありません。豊かな倍音が含まれているため、ダイナミックでパワフル、しかし荒々しすぎない心地よいサウンドが特徴です。
ゲイン設定 | サウンドイメージ |
---|---|
低ゲイン | ウォームなクランチからブルージーなオーバードライブ |
中ゲイン | JCM800に近いロックなディストーション |
高ゲイン | パワフルでモダンなハイゲインサウンド |
上記のようにゲイン設定によって幅広い音作りが可能で、アンプの違いを再現するようなニュアンスの違いが感じられます。
音作りの自由度
HEAT BLASTERは、ディストーションサウンドの自由度が高いのも大きな魅力です。コントロールが多彩なため、細かいセッティングによってあらゆるサウンドメイクが可能です。
BASS BOOSTスイッチ
低域をブーストしてボリューム感を出すBASS BOOSTスイッチは、ピックアップのタイプを選ばずに太く存在感のあるサウンドを実現できます。
- シングルコイルのピックアップでも低音が出せる
- ハムバッカーとの相性も良好
単にブーストするだけでなく、低音のキレも損なわないのが大きなメリットです。様々なギター、アンプとの組み合わせで最適なセッティングが見つかるはずです。
TONEコントロール
TONEコントロールは、通常のトーンコントロールより幅広い操作が可能です。音が潰れすぎず、余計なノイズも出にくい設計になっています。
TONEを上げた場合、高域の輪郭が際立ち、キレのある切れ味のよいサウンドが得られます。一方、絞り込むと中域が太く出て重厚感が増します。この範囲で好みの太さと切れ味を自在に調整できるのが魅力的です。
ノイズ対策
ディストーションペダルを使う上で欠かせないのがノイズ対策です。HEAT BLASTERではいくつかの工夫がなされています。
シングル・コンタクト・トゥルーバイパス回路
トゥルーバイパス回路を採用しているため、バイパス時に信号経路を最小限に抑えられます。これによりケーブルを長く引き回してもノイズが乗りづらくなっています。
またペダル内部にコンデンサがないため、高域がカットされずにナチュラルな音質が実現できます。ハイゲインの歪みでも痛くなく、軽やかな高域の広がりが感じられるでしょう。
LED監視機能
ペダル上のLEDは単なる動作表示ではありません。バッテリー電圧の監視機能も備えており、電池残量が少なくなると光り方が変わります。
- 電池切れによるノイズのリスクを軽減
- 突然の音途切れを防げる
長時間の演奏でも安心して使えるよう、細かな配慮がなされています。
まとめ
Providence社のHEAT BLASTER HBL4は、豊かな倍音とピッキングニュアンスの表現力に優れたディストーションペダルです。アンプライクなサウンド、BASS BOOSTによる太い低音の実現、幅広い音作りの可能性など、様々な魅力を持ち合わせています。またノイズ対策も万全で、ライブやレコーディングにも最適です。ギタリストの音作りの幅を格段に広げてくれるエフェクターだと言えるでしょう。Providenceはケーブルも良いのがあるし、他のエフェクターも優秀なのが多いですね!!
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