道の反対側からのメッセージ キース・リチャーズ  フェンダーアンプを語る

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ギター
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はじめに

フェンダーアンプ大図鑑よりキース先生のお言葉をお送りします!!

新しい機材

俺は最初からフェンダーのアンプを使っていたわけではない。 苦労してこつこつ学んできたから、こうやって偉そうに語れるのだ。 上質なエレクトリック・ギターやアンプなどを俺たちがやっと買えるようになった頃、ちょうどイギリスでは新しい製品がどっと発売された。 ヴォックスや マーシャルなどの機材がどんどん出てきて、ある意味 ちょっと訳が分からないほどよりどりみどりだった。

やっと伴侶が見つかった!

俺はいろいろと実験をしたけど、その結果、美しいギターはたくさんあっても、それにぴったりのアンプはまったくないか、またはめったに見つからなかった。 それでも俺は、「もっといい音が出せるはずだ」 と思っていた。そしてある日、フェンダーのギターを手に取って 、きれいなフェンダーのツインに差してみたら・・・・・・ 「おお、これだ! やっと伴侶が見つかった!」 と思ったわけだ。 その音を聞いた瞬間、俺は「レオにやられた」 と思った。まるで、「ギターとアンプがぴったりハマる組み合わせとはこういうものさ」と、道の反対側から彼がメッセージを寄こしてきたかのようだった。

レオ・フェンダー

俺は一度もレオ・フェンダーに会うチャンスはな かった。いつか会えたらとは思っていたけど、「ギタ リストの話し相手が1人増えたくらいじゃ彼は退屈で 死にたくなるに違いない」と思っていた。 でも、仮に レオと直接会話ができたとしたら、俺はこんな話をしただろう。 まずギターメーカーは普通アンプを作ろう とは考えない。レオも最初のうちはアンプを作ってい た。だからインピーダンスとかそういう知識が全部 あったわけだ。 そこで、それらを統合したものを作ろ うという考えはどこから生まれたのかと訊けたらいい なと思っていた。 レオ・フェンダーは、ギターとアンプを完全にまとめ上げた。それはまさに2頭の馬、しかもきっとサラブレッドが古い時代の馬車にぴったり 納まっているようだった。

それぞれのアンプで数分ずつ試してみることが大事なのだ。

俺が愛用しているギターの中には特定のアンプに しっくりくるだろうと思うものがいくつかある。 しか 同時に、いろいろと実験もしている。 (特にスタジオまで) 「あるときにはチャンプを試してみよう」「ああ、 これはいいかもしれない」そしてまたあるときには「真空管が2~3本抜けたツインを試してみよう」という感じだ。 だから、何台かアンプを引っ張り出してはそれらを ずらっと並べて、そのうちの1台に差してみて、「いや、 今日は違うな」とか独り言を言ったりする。大きな音が欲しいときでも、日によっては小さなチャンプで十分な音が出るときもある。 大きなアンプでは単にでかすぎることもあるのだ。 その日、そのギターで試してみるまで、 確実なことはまったく分からない。 ある特定の音を求めていても、ときにはそれよりもっといい音が出ることもある。 俺にとって大事なのは、アンプずらりと並べることだ。シールドのプラグを片手に、 それぞれのアンプで数分ずつ試してみることが大事なのだ。 俺は、ベダルエフェクターはあまり使わない。足は立つためにあるものであって、フェンダーのアンプさえあればエフェクターなど要らない。 ちょうど俺たちはスタジオを出てきたところだが、いつものように、ほとんどフェンダーのアンプを使っていた。 ずっと前からこういうふうにやっている。

フェンダー・ ツイン

俺のフェンダー・ ツインはいい仕事をしてくれる。 それだけのことだ。 今度のツアーのメイン機材はフェンダーになる。何も言わなくてもそうなるのだ。 スタジオだけでなく、 スタジアムでも、ツインは俺のお気に入りだ。 ツインの音をマイクで拾ってぶっ放す。 ステージに置いてその前に立っていても、すごくいいアンプだ。それほど大きくないけど、とてもいい音が出る。 俺はあまり機械には詳しくない。 言っておくが、たいていの人は自然に物事を覚えるものだ。 俺も真空管やトランスなんかのことはよく知っている。 しかし一方で、すごい音色の秘密という話になると、ちょっと詳しく掘り下げすぎじゃないかと思うこともある。 人がすごい音を見つけるのか、すごい音が人を見つけるのか、俺には漠然としていてよく分からない。 ある日どこかで、「これだ」というポイントがやってくる んだろう。 突然その音が目の前に現れて、それを伝えるためだけに自分がそこにいることに気づく。なぜか音色がそれを教えてくれるのだ。 「ようこそ、 お帰り」 と。

まとめ

フェンダーのアンプやギターは芸術作品である一方で、機材でもある。 実に信頼できる。いつだって フェンダーのアンプに戻ってこられる。 実のところ、フェ ンダーのアンプがなければ、 俺は途方に暮れてしまうだろう。 現在の人がみな真似ようとするほど、素晴らしいアイデ アを考え出したレオに感謝と賞賛を送りたい それだけ晴らしいという証拠だ。 俺は今まであらゆるアンプを実験し、試してきたけど、これ以上変えるつもりはない。 求めていた音を見つけたからだ!!!

キース・リチャーズ

すごく説得力のある良いお話でした!!ありがとうございます!!

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