はじめに
エピフォンのレスポールは、ギブソン・レスポールの廉価版として知られていますが、単なるコピー製品ではありません。ギブソンの傘下ブランドとして、レスポールの伝統と品質を受け継ぎながら、手頃な価格でギター愛好家に提供されています。本記事では、エピフォンのレスポールに対する評価や特徴を多角的に検証し、その魅力を紐解いていきます。
歴史と由来
エピフォンのレスポールの歴史は、ギブソンのそれと深く関わっています。エピフォンとギブソンは長らくライバル関係にありましたが、1957年にエピフォンがギブソンの傘下に入ったことで、より密接な関係を持つようになりました。
ギブソンとのかかわり
エピフォンがギブソンに買収された後も、独自のブランドとして存続しています。ギブソン製品のセカンドラインを担うわけではなく、それぞれが別個のブランドとして扱われています。エピフォンのレスポールは、ギブソンのデザインを踏襲しつつ、独自の工夫を施したモデルとなっています。
両社の関係は、お互いに影響を与え合いながら発展してきました。ギブソンのレスポールは1950年代に誕生しましたが、エピフォンもその後、同様のデザインのギターを発売しています。ギブソンのレスポールに憧れながら、予算的に手が届かない人々のためにエピフォンが提供したのです。
歴史に残る革新性
エピフォンは、単なるコピー製品を作るブランドではありません。1873年の創業以来、数々の革新的なアイデアを生み出してきました。例えば、ビートルズのメンバーも愛用した「カジノ」は、センター・ブロックがないため、通常のセミアコより太い音が出せ、リズムギター、リードギターの両方に用いることができる。また、ロックのみならず、ジャズでも活躍している。
このように、エピフォンは150年以上の歴史の中で、独自の発想と技術力を培ってきました。レスポールシリーズにおいても、単にギブソンの製品を模倣するだけでなく、コストパフォーマンスに優れた個性的なモデルを生み出しています。
音質とスペック
エピフォンのレスポールは、サウンドの質やスペックの面でも、ギブソン製に引けを取らない高い評価を受けています。ギブソンとの技術的な連携もあり、本家に迫る音質を実現しているのです。
ハムバッカーピックアップ
エピフォンのレスポールに搭載されている「ProBucker」は、ギブソンの名機をベースに開発されたハムバッカーピックアップです。ビンテージ・サウンドの再現性が非常に高く、プロのミュージシャンからも高い評価を得ています。
ProBuckerピックアップの特徴 |
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– 伝統的なレスポールサウンドを再現 |
– 太くてスムースなトーン |
– 歪みをかけても音がつぶれにくい |
ProBuckerは、レスポール本来のサウンドを大切にしながら、現代のミュージシャンの要求にも応えられる高品質なピックアップなのです。
木材の選別
エピフォンのレスポールでは、ギブソンと同等の木材が使用されています。特にハイエンドモデルでは、AAA級のフレイムメイプルを採用するなど、こだわりが感じられます。
- ボディ:マホガニー材
- ネック:マホガニー材
- 指板:ローズウッド/エボニー
- トップ材:AAA級フレイムメイプル (一部モデル)
このようにエピフォンは、素材の選別にも注力しています。伝統的なレスポールの作りを忠実に再現しながら、コストパフォーマンスを損なわないバランスを実現しているのです。
モデルバリエーション
エピフォンのレスポールシリーズには、様々なモデルバリエーションが用意されています。初心者から上級者まで、さまざまなユーザーのニーズに応えられるラインナップが特徴です。
初心者向けモデル
エピフォンの代表的な初心者向けモデルが「レスポール・ジュニア」です。シンプルな構造ながら、レスポールサウンドを体験できるのが魅力です。特に黒のカラーが人気で、グリーン・デイのビリー・ジョー・アームストロングの最新シグネチャー・モデルがなどがあります。
初心者でも扱いやすいよう、指板はフラットで弦高の調整もしやすくなっています。ピックアップは伝統的なP-90シングルコイルを搭載しており、ヴィンテージなレスポールサウンドを堪能できます。
中級者向けモデル
中級者向けのおすすめモデルが「レスポール・スタジオ」シリーズです。ここでは、プレイヤーの視点から様々な改良が施されています。例えば「レスポール・スタジオ LT」では、1960年代のスリムテーパーネックを採用し、ハイポジションの弾きやすさを追求しています。
また、「レスポール・スタジオ」は、クラシックなレスポールサウンドを忠実に再現。ロックからサステイン感のある太いトーンまで、幅広い表現が可能です。適度な高級感もあり、本格的なプレイに対応できるモデルと評価されています。
上級者向けモデル
上級者向けのフラグシップモデルが「レスポールカスタム」です。エボニー塗装のボディやゴールドパーツなど、クラシックなデザインを継承しています。ハイエンドモデルにはギブソン製に匹敵するクオリティが求められますが、エピフォンのレスポールカスタムは音の輪郭や作りの精度が高く評価されています。
一方で、上級者のプロミュージシャンの中には、わずかな音の違いを気にしてギブソン製を選ぶ層もいます。しかし、ぼっち・ざ・ろっく!の影響もあり、コストパフォーマンスの高さから初心者にも人気のモデルとなっています。
アーティスト評価
エピフォンのレスポールは、ビリー・ジョー・アームストロングやスラッシュなど、数多くのプロミュージシャンから高い評価を受けています。レコーディングやライブでの実力派の使用例が、エピフォンのレスポールの高い性能を裏付けています。
プロの評価
ロック界の重鎮スラッシュは、自身のシグネイチャーモデル「エピフォン スラッシュ レスポール」を展開しています。ブルースギタリストのジョー・ボナマッサは「エピフォンから良いギターが出ている」と述べ、特にレスポール・ジュニアを高く買っています。サウンドの太さとヴィンテージ感が魅力的だと話しています。
オフィシャルミュージシャン
エピフォンではさまざまなアーティストとの協力関係を築き、オフィシャルのミュージシャン契約を結んでいます。例えばメタリカのカークハメットやスラッシュといった著名なギタリストが、自身のシグネイチャーモデルをエピフォンブランドで発売しています。
このようなミュージシャン公認の製品は、プロから見ても満足のいくスペックと演奏性が備わっています。そのため、定評のあるブランドならではの高品質なギターが手に入ると、多くのギタリストから期待されています。
個人的にはピーターグリーン、ゲイリームーアが使用してたこのモデルが気になります!!
Epiphone エピフォン Kirk Hammett Greeny 1959 Les Paul Standard
まとめ
エピフォンのレスポールは、単なるコピー品ではなく、ギブソンとの強い繋がりの中で培われた独自のブランド価値を持っています。伝統的なレスポールの品質と革新性を併せ持ち、手頃な価格で多くのユーザーに提供されています。初心者から上級者まで、様々なモデルバリエーションが魅力的なラインナップを形成しています。
ギターの本場アメリカのプロミュージシャンからも高い評価を受けているエピフォンのレスポール。これほどのコストパフォーマンスを誇るギターは、まさにギター愛好家にとっての魅力的な選択肢となるでしょう。
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