はじめに
ギターエフェクターの世界には、時を経ても変わらない人気を誇る名機がいくつかあります。その中でも、Nobelsのオーバードライブペダル「ODR-1」は、長年にわたり多くのミュージシャンから高い評価を受けてきました。本日は、この名機の魅力や特徴、新しいモデルについて詳しく解説していきます。
ODR-1の歴史と評価
Nobels ODR-1は、1980年代からドイツの老舗メーカーNobelsによって製造されているオーバードライブペダルです。海外で高い評価を受けており、チューブアンプのようなウォームな歪み音が大きな特徴となっています。
幅広いサウンドメイキング
ODR-1には、ドライブ、スペクトラム、レベルの3つの主要なコントロールノブが搭載されています。これらを使うことで、幅広いサウンドメイキングが可能になります。ギターのボリュームに対するレスポンスも良好で、ニュアンスの表現力に優れています。
特に、スペクトラムという特殊なEQコントロールが注目を集めています。左に回すとハイカットしつつ中域が強調され、温かみのあるサウンドが得られます。一方、右に回すとハイミドとローが強調されて、ディストーション寄りの歪み音になります。このように、1つのノブで様々な音色を作り分けられるのが大きな魅力です。
高い人気と中古市場での評価
ODR-1は発売以来、ブルースやロックのミュージシャンから高い人気を博しています。特に初期モデルは希少価値が高く、中古市場では5,000円~8,000円の相場となっています。ダイナミックレンジが広く、ニュアンスにも優れているため、一度ハマると手放せなくなる人が多いようです。
また、ODR-1をベースにした類似モデルも登場しています。Rockett Pedals Chicken Soup Overdrive等がその一例で、ODR-1の魅力的なサウンドを再現しようと試みられています。
ODR-1の新モデル「ODR-1 BC」
Nobelsから、ODR-1の新しいモデル「ODR-1 BC」が発売されました。従来のODR-1の基本的な回路設計は踏襲しつつ、ベースカットスイッチが新たに追加されています。
クリアかつリッチな歪みで、 ガスリー・トラップ、ジェリー・ドナヒュー カール・ヴァーヘイエンなどなど、アメリカのセッション・ギタリストたちの間でカルト的な人気を誇ったオーバードライブ、 ODR-1。 このたびペース・カットスイッチが増設され、 ODR-1 BCとして進化した。 電源はこれまではDC9Vだったが、 18Vまで対応。これによりワイドレンジなサウンドもクリエイト可能
となった。
ベースカットスイッチの追加
ODR-1 BCの最大の魅力は、ベースカットスイッチの搭載です。このスイッチを使うことで、シングルコイルやハムバッカーのギター、さらにはベースでも使用可能になりました。重低音をカットできるため、ハムバッカー使用時の低域の出すぎを抑えることができます。
また、プロのセッション奏者からの要望も反映されたようで、ギターのボリュームと連動して瞬時に音色を変化させられるのが大きな魅力です。ダイナミクスの表現力が格段に向上しているようです。
その他の改良点
ODR-1 BCでは、ベースカットスイッチ以外にも使い勝手の向上が図られています。
- 電源アダプターの対応電圧が広がり、9V~18Vまで対応
- ノブの印が蓄光塗料になり、暗い場所でも視認性が良くなった
- バッファードバイパスを採用し、ノイズの混入を防いでいる
従来モデルと比べると、より実用性が高くなっていると言えるでしょう。
Vemuram SHANKS ODS-1
ODR-1の魅力を汲んだ製品として、Vemuram社の「SHANKS ODS-1」も注目されています。
ODR-1をベースにしたサウンド
SHANKS ODS-1は、Nobels ODR-1をベースに開発されたオーバードライブペダルです。クリアでありながらピッキングの違いを反映するトランスペアレントな特性と、チューブアンプのような太く芯のある歪み音を両立しています。
歪み幅はオーバードライブから軽めのディストーションまでカバーでき、アンプを歪ませる目的やブースト的な使い方も可能です。万能感のある音質が魅力的だと言えるでしょう。
Vemuram社の代表作との違い
同社の代表作「JanRay」と比べると、SHANKS ODS-1はより歪みやすく、温かみと力強さが感じられるサウンドになっています。ギターロックなどのジャンルに適した一品と言えるでしょう。
さらに、トリマーによる全体のサチュレーションやベースの調整も可能です。こうした細かい調整を施すことで、ODR-1の魅力をさらに引き立てた味付けができます。低音の押し出しも素晴らしく、ODR-1の良さを継承しつつ進化したモデルだと評価できるでしょう。
Nobels ODR-miniについて
近年の小型エフェクターブームの中で、Nobelsが発売した「ODR-mini」も注目を集めています。
ODR-1の小型版としての特性
ODR-miniは、その名の通りODR-1の小型版として設計されたモデルです。バッファーを省いてコンパクト化されていますが、オリジナルの音質は維持されています。オーバードライブからディストーションまで幅広い音作りが可能なのが大きな魅力です。
TSタイプのオーバードライブペダルのような甘さと厚みのある音色は、ブルースやカントリーなどのジャンルに最適だと評されています。値段も手頃なため、ODR-1の魅力を気軽に味わえるのがポイントでしょう。
人気と評価
発売当初からODR-miniは高い人気を博しており、小型ながらも本格的な音質を備えた優れたペダルだと評価されています。機能性とコストパフォーマンスの高さから、より多くのギタリストに知られるべき一品だと言えるでしょう。
フルサイズのODR-1をこよなく愛するファンからも、その音質の良さが認められています。小型ながらODR-1の良さを継承できているのは、Nobelsの卓越した設計力の賜物だと考えられます。
まとめ
本日は、Nobelsの名機オーバードライブペダル「ODR-1」とその周辺製品について詳しく解説してきました。ODR-1は発売以来長年に渡り高い評価を受け続けており、その温かみのある歪み音とサウンドメイキング能力は傑出しています。
近年リリースされた新モデル「ODR-1 BC」では、ベースカットスイッチの搭載により使い勝手が格段に向上しています。さらに、ODR-1の良さを汲んだ別メーカーの製品も登場しており、この名機の人気の高さがうかがえます。
歴史と実力を兼ね備えたODR-1は、今後もギタリストから親しまれ続けていくことでしょう。名機の魅力に触れていただければ幸いです。
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