【ギタリストに聞く】BOSSの名機DS-1がヘビーでシンプル過ぎる理由

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はじめに

BOSSのディストーションペダル「DS-1」は、1978年に登場して以来、ロック/メタル系ギタリストの定番アイテムとして長年親しまれています。シンプルな操作性と王道のディストーション・サウンドが魅力の一方で、個性的な音作りが難しいなどの短所もあります。本記事では、このDS-1の特徴や使用例、評価などを掘り下げてご紹介します。

DS-1の歴史と特徴

DS-1は、BOSSが1978年に発売した初のディストーションペダルです。当時のハイゲインアンプの歪みを再現することを目的に開発され、ロック/メタル系のミュージシャンに広く支持されました。2024年時点で46年の歴史があります。

シンプルな操作性

DS-1のコントロールはDISTつまみ(歪み量調整)、TONEつまみ(音質調整)、LEVELつまみ(出力レベル調整)の3つのみと非常にシンプルです。初心者でも直感的に操作できるのが特徴です。

また、DISTつまみを最小値に絞ればブースターとしても使用可能です。この汎用性の高さも魅力の一つと言えるでしょう。

王道のディストーション・サウンド

DS-1の出力する歪み音は、金属的でアグレッシブな高音域と分厚い低音域が特徴的です。まさに「王道のハードロック/ヘビーメタル向けディストーション」と呼べるサウンドです。

ヴァンヘイレン、スティーブ・ヴァイ、ジョー・サトリアーニなど、多くの著名ギタリストに愛用されてきた実績も高く評価されています。

音作りの限界

一方で、DS-1にはクランチ系の軽い歪みを出すのが難しいなど、音作りの限界もあります。TONEつまみの調整範囲が狭く、アンプとの相性によっては思ったような音が出ない場合もあるようです。

また、シンプルな分個性的な音作りは難しく、「イメージと違った」「持て余す」といった指摘もあります。

DS-1の活用例

DS-1は、ロック/メタル以外のジャンルでも活躍しています。ここでは、代表的な活用例をいくつかご紹介します。

レコーディングでの活用

DS-1はレコーディングの現場でも幅広く使われています。サウンドが決まりやすく、プロデューサーやエンジニアからの信頼も厚いためです。

スタジオでは、アンプの歪みとDS-1の歪みを掛け合わせるなど、様々な音作りのテクニックが使われています。

オルタナティブ・ロックでの活用

90年代に人気となったオルタナティブ・ロックの多くのバンドが、DS-1を愛用していました。NIRVANAのカート・コバーンが使用していたことでも有名です。

DS-1のアグレッシブな歪みは、このジャンルの乾いた音作りに適していたのです。

ポップス/J-POPでの活用

意外に思われるかもしれませんが、DS-1はポップス/J-POPのギタリストにも愛用されています。高中正義などの著名ミュージシャンも使用しています。

ディストーションを効果的に使いこなせば、ポップスにもアクセントを与えられるのがDS-1の魅力です。

DS-1の評価

長年親しまれてきたDS-1には、ギタリストから様々な評価があります。ここでは、DS-1に対する代表的な評価を見ていきましょう。

初心者に最適

DS-1は、扱いやすく値段も手頃なことから、初心者に最適のエフェクターとしてよく推薦されています。

ディストーション初心者の第一歩としてDS-1を薦める声は多数あります。手に入れやすさと王道のサウンドが魅力です。私も最初はこのエフェクターでした。

定番の歪みペダル

一方で、DS-1は「定番の歪みペダル」としても高い評価を受けています。長い歴史と多くのトップ・ミュージシャンの使用実績が裏付けとなっています。

DS-1以降のディストーションペダルに多大な影響を与えたパイオニア的な製品でもあります。

シンプルさの長所と短所

DS-1のシンプルさについては、長所と短所の両面から評価が分かれています。シンプルさゆえに扱いやすいが、音作りには限界があるというわけです。

しかし、シンプルさが逆に創造性を引き出す側面もあり、使い手次第で可能性は無限大だと言えるでしょう。

製造国の違い

DS-1には、日本製と台湾製の2つの主要な製造国があります。それぞれに特徴があり、音質や外観にもわずかな違いが生じています。

日本製DS-1

初期のDS-1は日本国内で製造されていました。代表的な特徴として、以下のようなものがあげられます。

  • 銀ネジのスクリュー
  • 全角のハイフン(-)を使用したロゴ
  • スケルトン(透明)スイッチ
  • 一瞬だけ点灯するLED

日本製のDS-1は、艶のある太くブルージーな音色が特徴的です。トランジスタ段の歪みが主体となり、濃密で重厚な歪み音を生み出します。また、タッチレスポンスに優れ、ハイゲインな設定でも手の感触で歪み量をコントロールできるのが魅力的でした。

台湾製DS-1

近年のDS-1は、台湾で製造されています。主な特徴は以下の通りです。

  • 黒ネジのスクリュー
  • 半角のハイフン(-)を使用したロゴ
  • 常時点灯するLED

台湾製のDS-1は、日本製に比べてライトで明るい音色が特徴です。クリッピングダイオードによるハードクリッピングが支配的で、奇数次倍音が中心となります。また、音量が大きくなる傾向にあり、調整が必要となる場合があります。

音質の違い

製造国の違いから生まれる音質の違いについて、より詳しく見ていきましょう。

日本製の音質

日本製のDS-1は、非対称的な緩やかな歪みを示し、2次倍音から発生する偶数次倍音が中心となります。この特性によって、密度の濃い独特のジリジリとした歪み音が生まれます。また、ノイズも多めですがそれがかっこよく聴こえるのが魅力的です。

一方で、日本製前期型と後期型の間にも若干の違いがあります。前期型は音が乾いた感じとディストーションらしいザラつき感に艶があり、トーンの効き方がハッキリしています。後期型はそれに比べて、その部分が弱くなる程度の違いがあります。

台湾製の音質

台湾製のDS-1は、早期からクリッピングが発生し、上下対称の波形を示します。そのため、歪みの質が軽く、明るくクリアな印象を受けます。トーンやゲインの効き方もマイルドに変化していきます。

また、日本製と同じTA7136APオペアンプを使用しているにもかかわらず、音が小さく抜けが悪いという指摘もあります。配線やはんだ付けの状態も日本製に比べて劣っているようです。

まとめ

BOSS DS-1には、製造国による微妙な違いが存在します。日本製は重厚でブルージーな音色、台湾製はクリアで明るい音色と、それぞれに異なる特徴があります。改造の際にも、製造国によって対応が変わってくるでしょう。

同じモデルでも、このように音質や特性が異なるのは非常に興味深いことです。DS-1の魅力は、そうした複雑で表情豊かな歪み特性にあると言えるかもしれません。ユーザーの好みによって、どちらのタイプが良いかは分かれるところですが、その違いを理解することで、DS-1の新たな魅力に気づけるはずです。

DS-1は、発売から40年以上が経った今も根強い人気を誇る名機です。シンプルな操作性と王道のサウンドが魅力の一方で、音作りの制限もあります。しかし、幅広いジャンルで活躍しているように、DS-1の可能性は無限大。使い手の創意工夫しだいで、様々なサウンドを生み出せるはずです。初心者から上級者まで、DS-1さえあればギタープレイがより面白くなること間違いありません。

◆BOSSより DS-1, GT-1, ME-90 のホワイトカラーモデルが限定商品として登場いたします。
上質でエレガントな雰囲気をもった2024 年限定生産のカラーです。


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