マーティン・ギターD-45の魅力 – 歴史、特徴、愛用する著名ミュージシャンの全貌

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はじめに

マーティン・ギターは、アコースティック・ギターの世界で最高峰のブランドとして知られています。中でも、D-45モデルは同社のフラッグシップ製品として長年にわたり愛されてきました。その豪華な造りと卓越した音質は、ギター愛好家の間で熱い支持を受けています。本記事では、D-45の魅力的な歴史と特徴について詳しく解説していきます。

D-45の歴史

マーティン社のD-45は、1933年に誕生した名器です。当初は、カントリー歌手のジーン・オートリーのための特別注文から始まりました。

ジーン・オートリー(Gene Autry、本名:Orvon Gene Autry、1907年9月29日 – 1998年10月2日)は、アメリカのカントリー歌手、作曲家、俳優、映画プロデューサー、実業家です。オートリーは、1930年代から1950年代にかけて、カントリー音楽界で最も人気のある歌手の一人でした。特に、クリスマスソング「サンタが町にやってくる」(Santa Claus Is Comin’ to Town)や「赤鼻のトナカイ」(Rudolph the Red-Nosed Reindeer)のオリジナル歌手として知られています。

オートリーは、カントリー音楽だけでなく、西部劇映画にも多数出演し、「歌うカウボーイ」として人気を博しました。

1942年の第二次世界大戦による生産中止までの9年間で、わずか91本しか製造されませんでした。これらの初期モデルは「プリ・ウォー」と呼ばれ、希少価値が非常に高くなっています。

再生産と進化

その後、1968年に再びD-45の生産が再開されました。しかし、ブラジリアンローズウッドの使用は68年と69年の2年間のみでした。マーティン社は、時代とともにD-45のスペックを変更し、さまざまなバリエーションを生み出してきました。例えば、D-45Sや12弦モデルなどが登場しています。

近年では、プレミアムグレードの木材を使用したカスタムモデルも製造されています。イタリアンアルパイン・スプルースのトップと、マダガスカル・ローズのボディを組み合わせ、当時の仕様を可能な限り再現しています。その結果、クセの少ない低音の響きが特徴的なサウンドが生み出されています。

D-45 を愛用した著名なミュージシャン

1. ニール・ヤング(Neil Young)

カナディアン・フォークロックのレジェンドで、D-45を長年愛用しています。特にソロパフォーマンスでは、その美しい音色を存分に生かしたプレイが特徴です。

2. スティーヴン・スティルス(Stephen Stills)

Crosby, Stills & Nash(CSN) のメンバーとして知られ、アコースティックギターの名手。彼もD-45を愛用し、その豊かな音色を活かした楽曲を多く発表しています。

3. ジーン・オートリー(Gene Autry)

カントリーミュージックのパイオニアであり、D-45の最初のオーナーの一人でもあります。1933年に特注で作られたD-45を使用していました。

4. ジミー・ペイジ(Jimmy Page)

Led Zeppelin のギタリストで、D-45を使用していたことでも知られています。彼はエレクトリックギターだけでなく、アコースティックでも名演を残しています。

5. エルヴィス・プレスリー(Elvis Presley)

ロックンロールの王様もD-45を使用したことがあり、その豪華な外観とパワフルなサウンドは彼のカリスマ性とマッチしていました。

6. ボブ・ディラン(Bob Dylan)

フォークロックの象徴的存在であるディランもD-45を演奏しており、彼のアコースティックサウンドの一部を形成していました。

これらの偉大なミュージシャンたちが、D-45の卓越した音質と表現力に惹かれたことは間違いありません。彼らの作品を通して、D-45の魅力が世界中のファンに伝えられたのです。

D-45の特徴

D-45の魅力は、その製造工程と使用素材の質の高さにあります。マーティン社は、最高級の木材と熟練の職人によって、この逸品を生み出しています。

最高級の素材

D-45のトップには、グレード8のスプルース単板が使用されています。サイドとバックには、グレード4のインディアン・ローズウッド単板が採用されています。ネックにはジェニュイン・マホガニーが、インレイにはより色鮮やかなセレクト・アバロンが使われています。

このように、D-45には最高級の素材が惜しみなく投入されています。各パーツの木材は、職人によって厳選され、丁寧に加工されています。そのため、D-45は豪華な外観と優れた音質を併せ持っているのです。

卓越した音質

D-45の最大の魅力は、その素晴らしい音質にあります。力強さと華やかさを兼ね備えた音色は、豊かな倍音と透明感溢れるサウンドが特徴です。グランドピアノのような心地よい響きが、プレイヤーを魅了します。

  • 豊かな倍音: D-45は、豊かな倍音を含んだ煌びやかなサウンドが特徴です。高音域はきらびやかで、低音域は深く響き、そのバランスが絶妙です。
  • パワフルな鳴り: ドレッドノートボディならではのパワフルな鳴りもD-45の魅力です。音量豊かで、ダイナミックレンジも広く、表現力豊かな演奏に応えます。
  • クリアなサウンド: 音の分離が良く、コードの響きがクリアに聞こえます。複雑なコードワークやソロプレイでも、各音が埋もれることなく、しっかりと聴き取れます。
  • サスティーン: 豊かなサスティーンもD-45の音質の特徴の一つです。音が長く伸び、余韻を楽しむことができます。

D-45は表現力豊かで多彩なサウンドを持ち、プレイヤーの思うがままの表現を形にしてくれる夢のようなギターです。ギター愛好家の間では、アコースティック・ギターの最高峰として称賛されています。

価格と入手性

D-45の高い人気と品質は、その価格にも反映されています。税込販売価格は1,450,000円(2023年6月現在)と高価ですが、一生物に相応しい逸品といえるでしょう。

希少価値の高さ

特に、初期の「プリ・ウォー」と呼ばれるモデルは、生産台数が極めて少ないため、非常に高価になっています。ギター専門誌「Vintage Guitar」では、25の最も価値の高いギターの1つに選ばれるほどの希少価値があります。

ギター史の専門家であるGeorge Gruhnは、プリ・ウォー D-45の特徴的な外観と優れた音質を高く評価しています。このように、D-45は単なるギターを超えた存在として、コレクターの間でも人気が高いのです。もはや骨董品です。

購入方法

D-45の購入方法は、一般的なギターショップやオンラインストアだけでなく、中古品や個人売買も選択肢となります。中古品の場合は、状態や付属品の有無など、細かい点にも注意が必要です。

また、マーティン社の直営店やディーラーでは、カスタムオーダーによる特注品の製作も可能です。お気に入りの木材や仕様でD-45を作ることができるため、まさに夢のようなギターを手に入れられるでしょう。

まとめ

マーティン・ギターのフラッグシップモデル「D-45」は、アコースティック・ギターの世界で最高峰の存在です。その豪華な造りと卓越した音質は、ギター愛好家から熱い支持を受けてきました。

D-45は長い歴史の中で、さまざまな進化を遂げながらも、その魅力を失うことなく今日に至っています。希少価値の高さや著名ミュージシャンの愛用など、さまざまな要素が相まって、D-45の名声は不動のものとなっているのです。

ギター愛好家にとって、D-45は夢のように輝くギターであり続けるでしょう。その卓越した音質と豪華な装いは、プレイヤーに無限の可能性と喜びをもたらすはずです。

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