はじめに
ギターエフェクターの世界には数多くの名作が存在しますが、その中でもMXR M102 Dyna Compは特に重要な存在です。このペダルは1970年代に登場して以来、ロック、ブルース、ソウル、ファンクなど様々なジャンルのミュージシャンから親しまれてきました。本日はこの歴史的な名機について、その魅力や特徴、使い方などを詳しく解説していきます。
M102 Dyna Compの歴史
M102 Dyna Compの歴史は1970年代初頭に遡ります。MXRはこのコンプレッサーペダルを1973年または1974年に発売しました。当時のモデルにはRCA製のCA3080 ICが搭載されていたことが知られています。
ビンテージモデルの魅力
初期のビンテージモデルには独特のLoFiサウンドがあり、多くのミュージシャンから高く評価されてきました。ノイズがありながらもパンチのあるダイナミックな音作りが可能だったのです。
80年代に入るとデザインがアップデートされ、ブロックロゴの採用やLEDインジケーターの搭載など、機能面の進化も見られました。しかしながら、ビンテージモデルが持つアナログ的な魅力は健在でした。
近年のリイシューモデル
MXRは近年、M102モデルの新たなリイシュー版を発売しています。この最新バージョンではLM13700NというICが採用されており、ビンテージの魅力を残しつつ、ノイズ対策などの改良が施されています。
リイシューモデルについては後ほど詳しく解説しますが、初期の名器の良さを残しながら、現代の要求にも応える良作と言えるでしょう。
M102の特徴と魅力
M102 Dyna Compは数ある名機コンプレッサーの中でも特に人気が高く、今なお多くのプレイヤーから愛されています。その理由として以下のような要因が挙げられます。
シンプルな操作性
M102の最大の魅力は、その非常にシンプルな操作性にあります。付属しているのはOutレベルとSensitivityの2つのつまみのみで、複雑な設定は一切必要ありません。つまみを少し動かすだけで、素早くコンプレッションの効果を感じ取ることができるのです。
また、このシンプル設計は頑丈さにも繋がっています。ロードを積んだツアーライフにも耐えうる堅牢性を持っているため、長年にわたり愛用され続けてきたのだと言えます。
特徴的なサウンド
M102ならではのサウンドとして、「パコパコ感」のあるダイナミックなトーンが挙げられます。このサウンドはソウルやファンクといった黒人音楽のギタリストにこよなく愛されてきました。一方で、ロックミュージックにおいてもこのキレのある音色は重宝されてきました。
またクリーンなカッティングでは、サスティンの効果でフレーズにメリハリが付きます。サスティンを保ちつつ、しっかりとした弾き心地を体感できるのがこのペダルの大きな特徴です。
コストパフォーマンス
M102の魅力は、そのコストパフォーマンスの高さにもあります。一般的に1万5千円前後と比較的リーズナブルな価格帯ですが、その音作りの自由度は非常に高いのです。
ギタリストがペダルを探す際、最初に手に取るモデルとしてM102が選ばれることが多いのも、このコストパフォーマンスが影響していると言えるでしょう。
使い方とセッティング
M102を使いこなすためのセッティング方法とコツを紹介します。基本はシンプルですが、いくつかのポイントを押さえることで、さらに活用の幅が広がります。
基本的なセッティング
まずは2つのつまみの役割を確認しましょう。
- Output: 出力レベルを調整します。時計回りに回すほどレベルが上がります。
- Sensitivity: コンプレッション感度を調整します。反時計回りでコンプが弱く、時計回りで強くなります。
基本的には、まずSensitivityを最小に設定し、Outputレベルを調整してから、Sensitivityをコンプ感度の好みに合わせて設定するのがおすすめです。
オーバードライブとの組み合わせ
M102はオーバードライブペダルと組み合わせると、より一層の効果を発揮します。コンプレッションがかかることでオーバードライブの音が分厚く、パンチがあるものへと変化するのです。
例えばTube ScreamerなどのオーバードライブとM102を組み合わせれば、抜群のドライブサウンドが得られます。ギタリストの多くがこの組み合わせを高く評価しています。
ブースターとしての活用
M102はコンプレッサーとしてだけでなく、ブースターとしての使い方もできます。Sensitivityを最小に設定し、Outputレベルを上げることで、シンプルなブースト効果を得られるのです。
ソロパートでスムーズなブーストが必要な場面や、ショートクリーンブースターを探している方におすすめの使い方です。
リイシューモデルについて
近年MXRは、M102のリイシューモデルを発売しています。このモデルについても見ていきましょう。
スペック
リイシューモデルの最大の変更点は、RCA製CA3080 ICからLM13700NへのICの変更です。この新ICによって、製品の信頼性と安定性が向上しました。ビンテージモデルの魅力はそのままに、よりロバストな設計となりました。
また見た目のデザインも一部変更があり、スクリーンプリントのロゴなどがブロック体に変更されています。
サウンドの違い
ビンテージモデルに比べて、リイシューモデルにはノイズが抑えられているのが大きな違いです。一方で、パンチのあるキレのよさはそのままに引き継がれています。
また回路がデジタル化されたことで、ビンテージモデルのようなアナログ的な温かみは若干失われています。しかし現代的な解釈でM102の魅力を再現した良モデルだと言えます。
こだわりの復刻版
MXRのリイシューモデルの特徴は、単に再現を目指したのではなく、現代の要求に応える形で進化を遂げている点です。ただしそのルーツであるM102の本質は当然しっかりと継承されています。
そのため初心者からベテランまで、幅広いプレイヤーが使いやすいと高く評価されているコンプレッサーペダルなのです。
How to use the MXR Dyna Compressor!!!
まとめ
いかがでしたか?歴史ある名機M102 Dyna Compの魅力が少しでも伝わったでしょうか。このコンプレッサーペダルは、シンプルながらもパンチのあるダイナミックなトーンで、多くのミュージシャンに長年愛されてきました。
リイシューモデルが登場し、現代の要求とビンテージの魅力を兼ね備えたことで、今後もその人気は衰えそうにありません。MXRの名機コンプレッサーに一度触れてみることをおすすめします。きっと新たなギタートーンの発見があるはずです。
コメント